といっても日本のグループのことではありません。
歌うときのブレスの仕方。
どうしても高い声を出す前や、大きな声を出さなければいけないときには口から
たくさんの息を吸いがちですけど、せっかくそれだけたくさんの空気を肺に貯めこんでも
実際に声を出す時に必要な量は、その半分、もしくは3分の1くらいです。
歌に必要な大きな声というのは、部屋中に響き渡る大声ではなく、しっかり芯があって、
ざわざわした中でもストーンと貫くような通る声だと思います。
その類の声を出すには、たくさんの息を吐き出すよりも、少量の息を圧縮させた
スピードのある吐き方が必要で、実際に録音して聴いた感じも、音像定位もはっきりし、
ただ単にがなって出す声よりもしっかりとした存在感を持っています。
日本のヴォイス・トレーニングでは、鼻から思い切り吸うといったことをしながら
腹式呼吸を学ばせる方法が多いですけど、これはその吸い方が必要なわけではなく
横隔膜を下げるというピストン式の呼吸法を学んでもらう上で説明がしやすいという
講義の都合上のものではないかと僕は考えています。
息を吸いすぎると、肺の中の空気がいっぱいになり、圧が発生します。
俗に言う馬鹿でかい声の人は、この圧を利用して大量の空気を一気に押し出し
声帯にぶち当てるのですが、歌を歌い始めたばかり人がこれをやるとかなり問題が生じます。
まずわかりやすいのは声帯やその周りにに負荷がかかりすぎて声を潰すということ。
そしてもう一つは、圧(プレッシャー)のコントロールです。
例えば3音の均等な音量のロングトーンを出す場合、いっぱいに息を吸い込んで歌おうとすると
当然、1音目は圧との戦いになります。外に出ようとする圧を押さえながらそこから必要な
空気だけを吐き出すという作業ですから、一音目のロングトーンは「抑えながら出す」という
作業になるわけです。これは非常に難しくて、しかも声帯周りや首、肩にも力が入りやすく、
やわらかい音色で歌う事はまず初心者には不可能です。
この「圧」だけを利用して吐き出すというのではなく、やはり腹筋を軽く固めて支えをつくり
横隔膜のピストンを利用して、スピードのある少量の空気を押し出すほうが喉への負担も軽く
また余計な圧をコントロールする必要もないので、音色の変化が自由に出来ます。
そのためには話すときと同じような呼吸法で歌うということをマスターできれば、とても
ナチュラルなサウンドを作ることが出来、また安定したストレートを軸とした様々な効果を
声に乗せることが出来るでしょう。
「しゃべるように歌う」。決して小声ではありません。少ない息の量で響く場所を探すこと。
一度試してみてはいかがでしょう?苦手だったビブラートが案外簡単にできたりするかも・・・。